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よくわかる北朝鮮旅行2016年5月 by 神谷奏六

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北朝鮮がわかるオススメ本 「朝鮮崩壊 米中のシナリオと日本(長谷川慶太郎 著)」

北朝鮮の今の経済状況について、解説を読むのにオススメなのがこの「朝鮮崩壊 米中のシナリオと日本」です。

何がどうよかったのかを解説します。


1.北朝鮮の現在の経済状況がわかる

ニュースでは、貧しいとか、食料支援を求めているとか、ばっくりした話をよく聞きます。

北朝鮮に旅行に行っても、確かに都市部でも高級ブランド品を纏いまくってるセレブとかいないし、農村でもかなり古い服を着て手作業で農作業しているので、そんなに豊かでないのはわかります。

でも、何人くらいが、どれくらい貧困なのか、というところがわかりません。

その点をこの本では国際ジャーナリストの著者が、独自に収集したデータをもとに解説しています。

医療も食料も不足しているから韓国人は平均寿命が76歳なのに来た朝鮮人は56歳だとか、中国から北朝鮮に向かってる食料支援のトラックが1年で30%減っているからすごく苦しいとか、北朝鮮と同じくらいの人口のオーストラリアでは年間2400億キロワット発電するのに北朝鮮では10分の1以下の200億キロワットしか発電できないから電力が全然不足しているとか、そんな話が満載です。



2.北朝鮮と中国の関係がわかる

私もこの本を読んで少しずつわかってきましたが、北朝鮮の実態は、中朝関係を理解せずにはわかりません。

中国とロシアには朝鮮戦争で助けてもらって以来、経済援助をしてもらい続けている今も、多大な影響を受け続けています。


そして、この本によると、ソ連崩壊以降は、中国からのトウモロコシ・原油・無煙炭の援助が北朝鮮の命綱となってきたそうです。

そして、2013年頃から経済崩壊しつつある中国が援助を打ち切ろうとしていて、更に中国の金融崩壊にともなういろいろな現象が北朝鮮にどんな影響を与えると見られているのかが解説されています。

そして、ソ連からの援助を断られて東ドイツが崩壊した時の状況と、中国からの援助を断られて間もなく崩壊する可能性がある今の北朝鮮の状況がどれだけ似ているか、という点も非常におもしろいです。


3.南北朝鮮半島統一の可能性について検討できる

北朝鮮に旅行に行き、現地のガイドに話を聞くと、北朝鮮の人は皆、南北朝鮮半島統一を望んでいると言います。
(現地の人は「南北統一」ではなく「北南統一」と言いますが。)

東西ドイツが統一したときの状況と似ているということは、南北朝鮮の統一の可能性があるということです。

私はこの本を読んだ限り、南北朝鮮の統一の可能性はあるのではないかと思いました。


南北統一に向けては色々な問題があります。

韓国の朴槿恵大統領は統一に非協力的だという説があります。
その理由の一つが南北の経済格差の対策なのであり、韓国の韓国統一省で全ての朝鮮人を70日間食べさせるだけの食料を準備したりしていますが、そんなものでは全然足りないほど、この経済格差はあまりにも大きすぎて、一筋縄では行きません。


それに対してアメリカはどのようにアプローチしてきたか、南北朝鮮が統一されると日本にどのような影響があるのか、北朝鮮側に起こる動きはどのようなものなのか、統一までの過程や統一後に核やミサイルはどうなるのか、そのあたりが検証されています。


北朝鮮の解説よりも中国の解説や中朝関係の解説が多いですが、経済と外交の視点で北朝鮮の知識を入れたい人、あとは国家上層部の思惑・裏事情などに興味がある方にはおすすめです。
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