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よくわかる北朝鮮旅行2016年5月 by 神谷奏六

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北朝鮮がわかるオススメ本 「学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 」

北朝鮮と韓国の建国、朝鮮戦争、それ以降の朝鮮半島の歴史を、世界の歴史との関連性とあわせて、とにかくわかりやすく教えている本がこの「学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義 国際篇 (文春文庫)」です。
何がどうよかったか、解説します。





1.北朝鮮や世界の今のニュースを深く理解できる

テレビや新聞やネットのニュースを見ていても、

「・・・え?なぜそんなことが起こったの?」
「・・・で、何?」
「・・・で、今後はどうなるの?」
「・・・で、私たちはどうしたらいいの?」
「・・・え?ホントのところはどうなの?」
「・・・すんません、ちょっと難しすぎます。」

みたいな疑問を持つことは、しょっちゅうです。

ニュースをわかりやすく解説してくれることでは、おそらく日本一の評価を得ている池上彰氏いわく、「現代のニュースを理解するためには、現代史(世界の戦後史)の理解が必要不可欠」と話しています。

終戦して、戦後の世界体制ができて、その後、どうなったのか?を理解しないと、上記のような疑問は解決できない、ということです。

しかも、学校の授業では小学校でも、中学校でも、高校でも、最終学年の3学期になってやっと、なし崩し的に「戦後の世界史」教えるだけ。

その点、この本では、戦後の世界史の中でも特に大事だと思われる14のテーマに分けて、とにかくわかりやすく解説しています。


北朝鮮があんなに貧しくても核開発をやめない理由とか、中国の経済成長が止まって日本や北朝鮮やその他の国にどのような影響が出る可能性があるとか、アメリカが過激すぎる中東への干渉をしたと思ったら突然、中途半端な干渉の仕方になったりしてるのはなぜで、そのニュースを戦後の歴史と併せて分析することでアメリカによる日本や北朝鮮への関わり方はどのような形になって行く可能性が高いのかとかがわかります。



2.北朝鮮の歴史と、世界の歴史との関連性がわかる

日本史をちゃんと学ぼうとすると、世界史も学ぶ必要にすぐ出てきます。
(海外どころじゃない戦国時代とか、鎖国中の江戸時代とかは日本のことだけ学んでいても、ある程度、本質的なところまでの理解はできますが。)

同様に、北朝鮮の歴史をちゃんと学ぼうとすると、世界の歴史を学ばないと北朝鮮のことは深く理解できません。

特に、北朝鮮は第二次大戦後の建国から今までロシア、中国、アメリカ、韓国、日本、中東、東南アジアなどの歴史の影響を受けまくって国が変化しています。

それにもかかわらず、北朝鮮の歴史を世界の歴史と関連づけて、しかもわかりやすく学べる文献というのはあまりありません。

その点、この本は第四章の「北朝鮮」という章で北朝鮮の歴史についてわかりやすく解説しているだけでなく、第一章の「東西冷戦」、第二章の「ソ連崩壊」、第七章のベトナム戦争など様々な章で北朝鮮との世界との関連性を解説しています。

これを読むと、北朝鮮の建国も戦争もその後の政治のやり方も細かいアレコレまで東西冷戦に起因していたとか、ソ連と中国の意向がどれだけ朝鮮戦争(ベトナム戦争、カンボジアのポルポト大虐殺)に大きな影響を与えたかとか、ソ連崩壊が原因で北朝鮮と中国がどんどんやりたい放題になっていったとか、朝鮮戦争も原因となってベトナム戦争・カンボジアのポルポト大虐殺・北朝鮮の核開発へつながっていったとかがわかります。

このような、北朝鮮一国ではなく、北朝鮮の歴史が世界の歴史に与えた影響や、世界の歴史が北朝鮮の歴史に与えた影響を学べます。



3.似たような国の歴史や、何度も繰り返して来た歴史を学べるので、未来を予想できる

歴史を学ぶことの意義に、「過去に起こったことは未来でも起こる可能性が高いので、歴史を学んで、未来に同じことが起こる可能性を予測できる。」というものがあると思います。

「歴史は繰り返す。」と言いますが、過去、同じ状況で、同じパターンで何度も何度も繰り返されたことがあるということは、未来でも同じ状況になれば、同じパターンで歴史を繰り返す可能性が高いということです。

ならば、歴史さえ学べば、現代の状況から今後どのようになるのかが予想できるということです。



また、歴史を学ぶことの意義に「似たような状況の国は、似たような行動パターンを取る可能性が高いので、似たような国の歴史を学んで、その国の未来を予測できる。」という物があると思います。

貧困になった国が全て似たような末路を辿るのであれば、貧困になったことのある国の歴史を学べば、今貧しい国の未来が予想できます。

社会主義国は全て似たような発展と衰退をたどるのであれば、社会主義国の歴史を学べば、今社会主義を取っている国の未来が予想できます。

独裁者が全て似たような政治をするのであれば、独裁者の歴史を学べば、今の独裁者の未来が予想できるのです。

だけど、あまりに時代背景が違うと「今このご時世、そんなことする奴おらんやろ。」みたいな考え方もできます。

この点、時代背景と合わせて予想するのに役に立つのが、現代史だということです。


この本では、北朝鮮と似たような歴史を繰り返している国がその後どうなったか、とか、様々な社会主義国の共通点などが学べます。

戦後の社会主義国でよくあるトップの就任時の大規模な粛正のやり方や粛正の対象などには共通点があり、例外なくその影響で数年もしないうちに国が滅びていくとか、戦後の社会主義国でよくあるトップの大規模な農業改革は例外なく失敗し、国が滅びそうになるか、そんな話がこの本にはありますので、そういう傾向から、独裁者の行動がどのような結果をもたらすかが予想できます。

また、アメリカが支配しようとする国ではアメリカの考え方に染まっている現地少数民族がトップになり、社会主義国でもソ連が統治する国ではキリスト教信者やモスクワに潜伏していた経験を持ち、ソ連が統治していない社会主義国では、トップは自国のメイン宗教を信仰していて、フランス留学経験がありフランス共産党で共産主義に目覚めていて、どれもそれぞれ似たような政治思想を持つ、とかが書いてありますので、そういう傾向から社会主義国のトップの思想が推測できます。


「ニュースを理解するための最低限の、かつもっともわかりやすい教養書」であり、「世界と北朝鮮」をもっとも客観的に、かつコンパクトに理解できる一冊だと思います。

kindle版もあるので、我が家では端末に保存しておいて、ニュースを見ながら解説として参照するのにも使っています。
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