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よくわかる北朝鮮旅行2016年5月 by 神谷奏六

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北朝鮮の観光スポット 板門店に北側から行く(1)非武装地帯へ入る

南北朝鮮の軍事境界線(実質の国境)上の建物「軍事休戦委員会本会議場」がある板門店に韓国側から行った人は多いですが、実は北朝鮮側からも板門店の見学に行くことができます。




1.朝鮮戦争の停戦と非武装地帯の設定までの背景

ジャーナリスト・池上彰氏の著書「そうだったのか! 朝鮮半島 (そうだったのか! シリーズ)」には、朝鮮戦争の開戦から停戦に至るまでの経緯、そして非武装地帯が形成されてから今に至るまでの歴史も詳細にまとめられています。


朝鮮戦争でアメリカ、中国、北朝鮮、韓国を中心とした2年にわたる停戦交渉の結果、当時のそれぞれの軍の最前線がにらみあっていた線を軍事境界線として停戦とすることが決まります。

さらに、相手の隙をついてこっそり軍事境界線をまたいで攻撃を仕掛けたりしないよう、軍事境界線の南北2kmは「非武装地帯」とすることに決まります。


ここは戦車や戦闘機などの兵器はもちろん、銃(拳銃を除く)を持った軍人の立ち入りや、地雷の設置、トンネルの工事なども禁止とされます。

結果、池上彰氏いわく「野鳥の楽園」と言われる自然の山々や、平和な農地が広がる地域が形成されました。



なお、朝鮮戦争後、この非武装地帯の下に、軍事境界線をくぐる形で掘られたトンネルが何本も見つかります。

そして、今のところ見つかったトンネルの全てのトンネル建設の仕様を調査したところ、全てのトンネルは北朝鮮側から韓国側に向かって掘られたことがわかっています。
(この説明はもちろん北朝鮮のガイドからはありません。)




2.いざ、非武装地帯へ


板門店は南北朝鮮の実質の国境となっている軍事境界線の真上にあるので、板門店に行くには軍事境界線から南北2kmの非武装地帯を通ることになっています。

韓国側から板門店の見学に行く際は、この非武装地帯に入る際に

「この先で何があっても文句は言いません。」

みたいな書類にサインをさせられるのは有名です。

いっぽう、北朝鮮からはそんなものはありません。



非武装地帯の入口に、トイレやお土産屋さんのある建物があり、そこに寄る際に、

「ここは写真撮影は禁止です。」

と言われるくらいです。


このお土産屋さんでは、北朝鮮のプロパガンダポスターが絵はがきになったものが売られています。

「この絵はがきには何て書いてあるのですか?」

とガイドに聞いたところ、

「アメリカの核戦争煽動を封じよう」
「アメリカが銃を出したら、我々はミサイルで応じよう」

のように書いてあるとのことでした・・・。




お土産屋さんの奥には、板門店全体の見取り図が貼ってあり、ここで板門店のカンタンな解説を受けます。

軍事境界線の南北2kmは非武装地帯であり、双方戦車や兵器は持ち込まないというルールになっているのですが、板門店でガイドをしてくれる軍人いわく、

「ここは短銃しか持ち込んではいけないのだが、アメリカはここに軍事兵器を持ち込み、我々に戦争を煽動している。」

というような説明をしてくれます。


隣に貼ってある朝鮮半島全体の地図では、北朝鮮の国土の中のどこに板門店が位置しているのかが書いてあります。

「北朝鮮の国土」とは、もちろん朝鮮半島全体です。



これらの説明を受けたら、板門店を案内してくれる軍人と一緒にバスに乗り込み(ここ、ちょっと緊張感高まります)、非武装地帯に入って行きます。

写真撮影はできなかったのですが、非武装地帯に入る道には門があり、この門にはハングル文字で何かのメッセージが大きく書いてあります。

「これは何て書いてあるんですか?」

とガイドに聞いたところ、

「自主統一」

と書いてあるとのことでした。



これまでのガイドの話を総合すると、大事なのは「統一」ではなく、「自主」、つまり米軍は韓国に居座って北朝鮮に圧力かけてくるのはやめてくれ、というメッセージだと思われました。

門をくぐり、牧歌的な農村と、野鳥の楽園となった林を通り抜けると、いよいよ停戦協議場に到着します。




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