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よくわかる北朝鮮旅行2016年5月 by 神谷奏六

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北朝鮮が朝鮮戦争で「勝利」と言うのはねつ造か?洗脳か?いや一理あるのか?(4)関係諸外国は目的を達成したか?

開戦当初の戦争の目的を達成していれば、「戦争の成功」と判断してよいと思いますし、歴史観においては目的の達成をもって「戦勝」とする有力説もあります。それでは、朝鮮戦争では、関係諸国は目的を達成したのでしょうか。




1.北朝鮮・韓国は目的を達成したか

ジャーナリスト・池上彰氏の著書「そうだったのか! 朝鮮半島 (そうだったのか! シリーズ)」によると、金日成の目的は「半島の武力統一」、当時の韓国のトップの李承晩(イスンマン)の目的も「北への攻撃を続けて南北朝鮮統一」です。

いずれも達成していませんので、これは「戦争の成功」とはいえません。
目的の不達成を敗戦とする説にのっとると、北朝鮮も韓国も敗戦国です。




2.アメリカは目的を達成したか

憲政史家の倉山満氏の著書「常識から疑え! 山川日本史 近現代史編 下 「研究者もどき」がつくる「教科書もどき」 (Knock the Knowing)」によると、アメリカは「朝鮮半島が敵対することは、自分を殺そうとする敵が目の前で武器を構えていることに他ならない」と知り、朝鮮戦争への参入を決めた、としています。

朝鮮戦争の結果、韓国の独立は守られ、朝鮮半島の日本よりが敵対することはなくなりました。

なので、これは「戦争の成功」といえます。
目的の達成を戦勝とする説にのっとると、アメリカは戦勝国です。




3.ソ連は目的を達成したか

上記の著書「常識から疑え! 山川日本史 近現代史編 下 「研究者もどき」がつくる「教科書もどき」 (Knock the Knowing)」に、以下のような記載があります。


以下、引用
自ら手を汚さず、金日成に指示して韓国に侵攻させたスターリンは、国連安全保障理事会では北朝鮮をかばうべき立場にあるはずです。
ところが、安保理がはじまっても、スターリンは以前からもめていた中国問題(中華民国と中華人民共和国のどちらに代表権を認めるか)を理由に欠席を続けます。

この長期欠席の理由が明らかになったのは、ここ十数年ほどの研究の成果です。

ソ連としては、安保理に出席したら北朝鮮をかばって国連軍の出動に拒否権を発動しないわけにはいきません。
スターリンは拒否権発動を避け、朝鮮戦争にアメリカを引きずり込むために、わざと安保理を欠席し続けたというのです。

アメリカ軍が国連軍として朝鮮戦争に参加すれば、そこで起きるのはアメリカと中国の殺し合いです。
これこそがスターリンの狙いでした。

スターリンから見ると、毛沢東は弟分とはいえ、生意気さが目に余るようになってきた存在でした。

1945年に満州から日本軍を追い払ったのはソ連軍です。
ところが、毛沢東は国共内戦がはじまると真っ先に満州に侵入し、日本が残した大工業地帯を押さえます。
ここで得た武器と物資で蒋介石の国民党軍を圧倒したのです。

そして毛沢東は、満州を占領した既成事実をもとに(筆者注:満州の)支配権を正式に認めさせようと、モスクワに飛んでスターリンに直談判します。
もちろんスターリンは認めるわけにはいきません。

生意気な毛沢東と、敵であるアメリカを殺し合わせることができれば、スターリンにとってこれほど都合のいいことはなかったのです。
敵ながらあっぱれと言いたくなるようなスターリンの悪知恵です。
以上、引用

ソ連の朝鮮戦争の目的は「資本主義国と国境を隣り合わないようにする」という点の他に「アメリカと中国を殺し合わせること」があります。

この2つの目的、いずれも達成されていますので、ソ連は「戦争に成功」。
目的の達成を戦勝とする説にのっとると、ソ連も戦勝国です。




4.中国は目的を達成したか

そうだったのか! 朝鮮半島 (そうだったのか! シリーズ)」によると、中国が朝鮮戦争に参戦した目的の1つめは「資本主義国家アメリカと結びつきのつよい国と国境線を引くこと」を阻止することです。

これはアメリカ、ソ連と同じ目的です。


さらに「常識から疑え! 山川日本史 近現代史編 下 「研究者もどき」がつくる「教科書もどき」 (Knock the Knowing)」に、前述箇所(「〜敵ながらあっぱれと言いたくなるようなスターリンの悪知恵です。」の箇所)の続きに以下のような記述があります。


以下、引用
ところがその上を行ったのが毛沢東でした。

スターリンは北朝鮮に子飼いの金日成を据えました。
同じことを満州でもやろうとしたスターリンは、高崗(こうこう)という人物を連れて来て軍閥化させようとします。

毛沢東は、朝鮮戦争ではこの高崗の軍隊にまともな武器も持たせず、人民解放軍の先方として最前線に突っ込ませたのです。

後ろに控える毛沢東の直轄軍は最新兵器で武装し、「督戦軍」として脅しをかけます。

高崗軍は地雷原に自爆突撃を繰り返さざるを得なくなります。
当然、多大な損害が出ますが、毛沢東の目的は敵対する高崗軍の兵士を死なせることですからかえって好都合です。
以上、引用

つまり、中国のもう1つの戦争目的は「高崗軍の兵士を死なせること」です。


この2つの目的、いずれも達成されていますので、中国は「戦争に成功」。
目的の達成を戦勝とする説にのっとると、中国も戦勝国です。


朝鮮戦争は北朝鮮、韓国は失敗し、アメリカ、ソ連、中国が成功した戦争だったといえます。





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