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よくわかる北朝鮮旅行2016年5月 by 神谷奏六

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北朝鮮人旅行ガイドに聞いてみた 〜北朝鮮の独特の言い回しはどういう意味なのか?〜

北朝鮮の書籍、博物館の解説、テレビのニュースなどでは、かなり独特のものごとの言い回しをします。


北朝鮮は朝鮮戦争以来、「先軍政治」として、政治は全てに優先して軍の強化にとりくむと宣言しています。

特に、

「人民は全て兵として、全人民一致してアメリカと戦う。」

としていますので、国内で使われるあらゆる表現は軍隊風の表現になっています。



金日成は「偉大なる建国の指導者金日成主席」ですし、アメリカは「厚顔無恥、強盗のごときアメリカ帝国主義」、米軍は「傲慢無礼、野蛮なアメリカ野郎」です。

これではどちらが野蛮なのかわかりませんが、そのような北朝鮮独特の言い回しの中で、

・これ、難しすぎて意味がわかりません
・これは、何が言いたいの?
・これは、さすがにねつ造では?

というような用語について、今回の北朝鮮旅行で私たちについてくれた現地人ガイドに質問してみました。


※これもあくまで政府の見解ではなく、現地のガイド(30代・女性)の個人的な見解ですので、それを踏まえてお楽しみください。





Q:「非同盟運動ってなんですか?」

A:「海外の政治・軍事ブロックに参加しないということです。」

→ロシア・中国の援助をもらって来た歴史や、エジプト・シリアと武器提供の強力をしてきた歴史など、東側諸国の軍事ブロックに参加してきたことはなかったことになっているみたいです。


Q:「北朝鮮について『東方で初の人民民主主義国家』とありますが、日本や韓国や中国は違うのですか?」

A:「本当の民主主義は、主体思想の社会主義なので、東方では初なのです。」

→全然民主主義じゃないし、主体思想って世界で後にも先にも北朝鮮しか言ってないじゃないか・・・。



Q:「『主席は全世界の国との善隣な友好関係を拡大した』とありますが、これってどこの国を指しているんですか?」

A:「中国、ソ連、ドイツ、日本、アフリカ、イラン、シリア、サウジアラビア、ルーマニア、アメリカなど。」

Q:「社会主義国が中心ですか?」

A:「いえ、社会主義国だけでなく、資本主義国もです。」

→日本とアメリカ以外の国のチョイスが、さすが、情勢が危険なところオンパレードです。っていうか、日本とアメリカぜんぜん友好じゃないし、資本主義国の具体例、少ないし・・・。



Q:「『祖国統一三代原則』って何ですか?」

A:「自主的に・平和的に・民族大団結のもと、北南朝鮮を統一しようという意味です。」

Q:「民族大団結って何ですか?」

A:「北朝鮮在住、南朝鮮在住、海外在住の朝鮮人で団結しようという意味です。」

→北朝鮮は1970年代に在日朝鮮人の帰国キャンペーンを盛大に日本にアピールしたことがあります。当時の狙いは労働力確保ですが、この名残が「海外在住の朝鮮人も団結しよう」につながっているのかもしれません。


Q:「『自強力第一主義』って何ですか?」

A:「経済制裁されても大丈夫なくらい強くなり、自前で全て調達できるようになろう、という意味です。」

→この経済制裁される前提なのがすごいのと、世の中の流れの真逆行ってるのがすごいです。今、みんなTPPの話とかしてるんだよ。



Q:「祖国解放戦争勝利記念館では、朝鮮戦争は停戦したと説明されているのに、なぜ「戦争『勝利』記念館」という名称なんですか?」

A:「(1)朝鮮軍は開戦時の領土を守った、(2)創設間もない軍がよくがんばった、(3)アメリカの司令官が『間違った戦いだった』と言った、(4)あれだけいばっていた最強米兵が停戦を申し込んだ・・・、これら意味で、政治的には戦勝と言っていいということです。」

→これはガイドの認識に誤りがあるので、確認してみました。


北朝鮮が言う朝鮮戦争の「戦勝」はねつ造か?洗脳か?一理あるのか?はコチラ

北朝鮮人現地ガイドが言う「戦勝」の根拠は、ねつ造か?洗脳か?一理あるのか?はコチラ
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