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よくわかる北朝鮮旅行2016年5月 by 神谷奏六

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北朝鮮の歴史認識「国連軍16カ国対中朝2カ国」はねつ造か?洗脳か?いや一理あるのか?を検証する

北朝鮮国内で語られる朝鮮戦争の歴史は、「北朝鮮中国の2カ国が国連軍16カ国と戦った」とされていて、北朝鮮側にソ連が入っていません。しかし、今では朝鮮戦争の参戦国にソ連が入っていたことは明らかになっています。


北朝鮮政府は自国民に対して、ソ連が入っていた事実を隠しているのか?それとも、本当にソ連は参戦しておらず、「国連軍に対して中国と北朝鮮の2カ国で戦ったのか?」これを検証します。


1.北朝鮮の歴史認識

北朝鮮政府が発行している著書「朝鮮通史<下>」では、北朝鮮と中国の2カ国に対して、国連軍16カ国で戦ったことになっています。

北朝鮮の現地ガイドは「15カ国と2カ国の戦い」とよく言いますが、朝鮮戦争は国連軍というよりアメリカと戦った戦争だというのは北朝鮮国民にとっては常識ですし、西側諸国でも「客観的に見て、まあアメリカ対中朝の戦争だよね。」という判断が一般的ですので、「アメリカが15カ国も引き込んだんだよ、ひどくない!?」という意味を込めて15カ国と説明していると判断しましょう。

韓国と北朝鮮はお互いを国家として承認していませんので、ここでは韓国は1カ国にカウントしないものとします。


一方、北朝鮮側の勢力は、中国人民軍が参戦したことは北朝鮮の歴史認識では認めています。

しかし、平壌にある朝鮮戦争の歴史を紹介する博物館である祖国解放戦争勝利記念館の説明にも、北朝鮮の現地ガイドの話にも、北朝鮮政府発行の北朝鮮の歴史を記した著書にも、朝鮮戦争に関してソ連の文字は一度も出てきません。

これより、北朝鮮の歴史認識では、「16カ国対2カ国の戦い」と認識していると判断できるでしょう。

北朝鮮側の歴史認識の検証はコチラ



2.国際的に最新の有力説とされている一般的な歴史認識

国際的にはアメリカを含む16カ国に加えて、韓国を加えた17カ国が参戦したとしています。
インドも参戦していたという説もありますが、詳細は不明です。

この他に、医療部隊ないし医療施設を国連軍に提供した国が5カ国、機雷の撤去などに日本が協力していますが、これらはカウントしないのが一般的です。


一方、国際的に(厳密には西側諸国において、ですが)有力説とされている最新の歴史認識では、朝鮮戦争は中国と北朝鮮に加えて、ソ連が参加しているというのが有力説です。

スターリンが金日成に進軍する指示を出したり、ソ連の兵隊が中国軍の戦闘機に乗っていたりした証拠が出て来ています。


つまり、最新の有力な国際的な歴史認識としては、「17カ国対3カ国」と言えます。

最新の有力説と文献はコチラ


3.北朝鮮人が「16カ国対2カ国」というのは、ねつ造か?洗脳か?いや一理あるのか?

「あいては16カ国+南朝鮮軍が攻めてきた」というのは、韓国を国家として認めていないからこのような表現になるのであり、これはねつ造でも洗脳でもなく、ただの国家の見解であり、主張です。
見解や主張は勝手なので、ここに悪意はないと言えます。


一方、「こっちは北朝鮮と中国との2カ国で戦った」というのは、参戦の証拠まであるソ連が含まれていないのですが、これは金日成が国民に対して隠したと考えるのが最も説得力があります。

なので、これに関しては「国家」は「ねつ造」しているといえます。
祖国解放戦争勝利記念館は国の運営ですので、ここで2カ国という説明は「ねつ造」と言っていいでしょう。

「朝鮮通史<下>」は国の発行ですが、2カ国とは書いていないのでねつ造ではなく、これは「国家」による「隠蔽」です。


一方、国民はこれを知らないだけなので、北朝鮮のガイドが「誤解」しているだけだと言えます。

ガイドに悪意があるとはいえず、知らないだけであり、ガイドが悪いというよりは、ちゃんとした文献を勉強できないガイドが不憫であり、国民に自由を与えない国家に人権的な視点で問題があると言えるでしょう。


ソ連が自身の参戦を隠しているのは、北朝鮮と仲間だと思われたくなかったという説が有力です。

一方、北朝鮮側としてはソ連のおかげでのし上がった金日成が「ソ連のおかげ」感を隠したいから、というの有力説です。

「なぜソ連の参戦を隠したのか?」の検証はコチラ


「16カ国対2カ国」という北朝鮮の現地ガイドによる説明は、国家による「見解の相違」と「ねつ造」と「隠蔽」と「人権剥奪」、それからガイドの「誤解」によるものと判断するのが適切か言ってよいと思うのですが、いかがでしょうか。

朝鮮戦争や北朝鮮の歴史を学ぶにはコチラがオススメです
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