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よくわかる北朝鮮旅行2016年5月 by 神谷奏六

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北朝鮮の観光スポット 〜青山里共同農場を見学する〜

金日成時代の北朝鮮の農業の大失敗の象徴(結果的に)であり、意外なことにその後に北朝鮮の農業が復活を遂げた、その一端が垣間見えるのが、この青山里(チョンサンリ)共同農場です。





1.北朝鮮の農業の制度と、青山里共同農場の作り

ソ連、そしてソ連を真似した中国が国中の農地を共同農場化し、「大成功!」とウソの宣伝をしたのを受けて、金日成も真似して北朝鮮の農地を共同農場化します。

その取り組みの、一番最初のとっかかりが、この青山里の共同農場化でした。

青山里共同農場を見ると気づくのが、

・よくよく見ると、かなり人工的な農村の作りをしている

・「農地の共同農場化を推進し始めた時に、金日成主席がわざわざ青山里に来て励ましてくれた。」という出来事が、大げさにまつられている。

・今、一番農業が進んでいるという青山里でも、農業はほぼ手作業


というあたりです。

金日成と青山里の農民の対談の絵です。

ここでは共同農場の副代表に話を聞くことができました。

副代表いわく、

「これは、当時の金日成主席のご指導のおかげと、今の絶え間ない努力によるものだ。」

とのことです。

北朝鮮の農業の歴史と、現地の副代表に聞いた共同農場の制度についてはコチラ





2.青山里方式についても説明を聞く

金日成が北朝鮮の農業を推進するにあたって、最も重視したのが、

「気合いと根性」

でした。


そこで、金日成は農業政策を通じて、科学的根拠にもとづく指導ではなく、全国の農村をまわっての「励まし」に力をいれます。

この「励まして、気合いと根性で農業生産高を伸ばす!」というやり方を、始めに励ましてうまくいった場所がこの青山里だったのにちなんで、「青山里方式」と呼んだそうです。



山には「青山里方式万歳!青山里精神万歳!」と書かれています。


現地ガイドいわく、この「励まし」による農業活性化、大成功したとのことです。


いやいや・・・と思い、日本に帰って青山里方式の歴史を調べてみました。

するとなんと、どうやらこれは本当のようでした。


まあ、朝鮮戦争で国が荒廃しまくっていて、これ以上は悪くなりようがないというところからのスタートだったので、何をやっても成長する時代だったのかもしれません。



青山里方式についての解説はコチラ



ところが、そんなことでずっとうまくいくはずもなく、すぐに農業生産高は急降下し、1996年、1997年の大飢饉、金正日いわく「苦難の行軍」を招き、数百万人の餓死者を招きます。





3.意外と知られていない、その後の発展

ところが、あまり知られていないのですが、2000年前後から、北朝鮮の農業生産高は再度、成長を見せています。

中国同様、北朝鮮の政府が発表した統計データというのは、全く信用できないことでおなじみなのですが、国連食料農業機関(FAO)が独自に調査した、かなり信憑性の高い北朝鮮の農業生産高のデータがあります。


これによると、1997年を底に北朝鮮の農業生産高は成長。

その後、2010年以降は更に安定成長の軌道に乗り、現在は「苦難の行軍」の1997年と比較して、約2倍弱の農業生産高に成長しています。

北朝鮮の食料需要高に対する、食料供給高の不足分は、国連食料農業機関(FAO)の統計によると、年間で約30万トン。

現在はまだ中国からの食料援助が年間で約50万トンあり、この他に日本もしょっちゅう援助していますので、北朝鮮の食料は、現在は行き渡っているという計算になるのです。


これらを成し遂げたのが、現地のガイドいわく、

・化学農薬を使わない農法
・代わりに田んぼへのタニシの放流、有機肥料、生物活性剤の使用
・世界各国の最新の農業の研究と活用

とのことでした。


タニシの養殖をしているビニールハウスです。

これ、かなり理にかなっています。

北朝鮮の農業の成長を示すデータと、現在の取り組みはコチラ




北朝鮮の農業、昔、めっちゃやばかったんだな・・・。

でも、北朝鮮の農業、今後けっこう期待できるのでは・・・。

と感じさせられる見学でした。


北朝鮮の観光スポットの口コミはトリップアドバイザーでも調べられます。
世界最大の口コミサイト「トリップアドバイザー」で北朝鮮観光地の口コミを見る




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